PowerDNS Recursor 5.0.0のベータ版がリリースされました。
本ベータリリースでは、YAMLファイルから設定を読み込む機能を備えており、設定の構造、処理、エラーチェックが強化されています。
YAMLファイルを処理するコードはRustで書かれ、テーブルから生成されます。前者はより安全なコードを可能にし、後者は古いスタイルの設定、YAML設定、ドキュメントが自動的に同期されるという大きな利点があります。
今までのバージョンで利用していた設定ファイル(recursor.conf)も継続して利用できます。
今回のリリースからビルド手順が変更されます。そのため、サードパーティのパッケージ管理者は、ベータ版をそれぞれのシステム向けに調整してください。そして、その内容のフィードバックをお願いします。PowerDNSリポジトリで提供しているLinuxディストリビューション向けパッケージは、調整済みになっています。
このベータリリースをテストしてください。テストすることをいくつか提案します:
- 既存の設定ファイルを利用してPowerDNS Recursorが期待通りに動作する
- 変換ガイドに従って既存の設定ファイルをYAML形式に変換する
- YAML形式の設定ファイルでPowerDNS Recursorを実行する
- RESTAPIを通してRecursorによって管理される設定ファイルの(自動)変換
YAML設定に加えて、このリリースには以下の変更も含まれています。
- PowerDNS Recursorが、受信するTCPクエリを処理する専用スレッドを持つようになった。
- NSレコードに関連するいくつかのエッジケースの処理が改善された。
- 生成されるいくつかのファイルがソースコードのアーカイブにパッケージ化されるようになり、パッケージのビルドでそれらを生成する必要がなくなった。
- PowerDNS Recursorがデフォルトで応答に拡張エラーを含めるようになった。
本リリースには、多くの小さなバグ修正および改善が含まれています。詳細は変更履歴をご覧ください。
アップグレードを行う際には、アップグレードガイドを確認してください。
ご意見・ご感想はメーリングリスト、バグの場合はGitHubまでお寄せください。
ソースコード(署名ファイル)は、ダウンロードサーバからダウンロードできます。いくつかのLinuxディストリビューション用のパッケージは、PowerDNSリポジトリからダウンロード可能です。
5.0.0の正式リリースが提供されると、4.7.xに対するサポートは終了します。また、4.8.xと4.9.xに対しては重大問題に対するリリースのみとなります。詳しくはEOLポリシーをご覧ください。
また、4.5 リリースで 32-bit time を使用するシステムのサポートを終了しました。これには多くの32ビットLinuxプラットフォームが含まれます。
バグや課題の報告、機能のリクエスト、プログラムの修正、機能実装を行ってくれたPowerDNSコミュニティのメンバーに感謝します。
執筆者:Otto Moerbeek
Senior Developer at PowerDNS