2回目のPowerDNS Recursor 5.0.0のRC版がリリースされました。
最新の4.9リリースと比較して、本リリースでは、YAMLファイルから設定を読み込む機能を備えており、設定の構造、処理、エラーチェックが強化されています。
今までのバージョンで利用していた設定ファイル(recursor.conf)も継続して利用できます。設定ファイルをYAMLファイルへ変換するプログラムも提供されます。将来のリリースでは、従来の設定ファイルは利用できなくなる予定です。
今回のリリースからビルド手順が変更されます。そのため、サードパーティのパッケージ管理者は、RC版をそれぞれのシステム向けに調整してください。そして、その内容のフィードバックをお願いします。PowerDNSリポジトリで提供しているLinuxディストリビューション向けパッケージは、調整済みになっています。
このリリースをテストするためにいくつかの提案をします
- 既存の設定ファイルを利用してPowerDNS Recursorが期待通りに動作する。
- 変換ガイドに従って既存の設定ファイルをYAML形式に変換する。
- YAML形式の設定ファイルでPowerDNS Recursorを実行する。
- RESTAPIを通してRecursorによって管理される設定ファイルの(自動)変換。
YAML設定に加えて、このリリースには以下の変更も含まれています
- PowerDNS Recursorに、受信TCPクエリを処理する専用スレッドが追加されました。
- NSレコードに関連するいくつかのエッジケースの処理が改善されました。
- 生成されるいくつかのファイルがソースコードのアーカイブにパッケージ化されるようになり、パッケージ・ビルドでそれらを生成する必要がなくなりました。
- デフォルトで、PowerDNS Recursorが応答に拡張エラーを含めるようになりました。
- デフォルトで、PowerDNS RecursorはRecursion Desired (RD) ビットが設定されていないクエリを許可しないようになりました。
- nsec3-max-iterationsのデフォルトが50に引き下げられました。
- systemd によって設定された RUNTIME_DIRECTORY 環境変数が再び適用されるようになりました。
- structured-loggingによる構造化ロギングを無効かする設定は非推奨となり、将来のリリースで削除される予定です。
本リリースには、多くの小さなバグ修正および改善が含まれています。詳細は変更履歴をご覧ください。
アップグレードを行う際には、アップグレードガイドを確認してください。
ご意見・ご感想はメーリングリスト、バグの場合はGitHubまでお寄せください。
ソースコード(署名ファイル) は、ダウンロードサーバからダウンロードできます。いくつかのLinuxディストリビューション用のパッケージは、PowerDNSリポジトリからダウンロード可能です。
5.0.0のリリースから、オープンソースのEOLポリシーを変更しました。古いバージョンのサポートは、新しいメジャーバージョンのリリースから1年間サポートされます。詳しくはEOLポリシーをご覧ください。
また、4.5リリースで32ビットタイムを使用するシステムのサポートを終了したことにも触れておきます。これには多くの32ビットLinuxプラットフォームが含まれます。
バグや課題の報告、機能のリクエスト、プログラムの修正、機能実装を行ってくれたPowerDNSコミュニティのメンバーに感謝します。
執筆者:Otto Moerbeek
Senior Developer at PowerDNS